#10-2「異変」

「じゃあ行くわよッ!」
 スノウがおもむろに、テレポートで何処かに連れて行こうとしている。
「ちょーっと、待ったッ!」
 イーサンが止めに入る。
「何よ?」
 珍しくスノウがお構いなしにスキルを使わなかった。

「修行っておまえ……。そもそも修行って現状では乗り越えられない敵とか、さらに強くなる理由があるからするもんだろ?何のために修行すんだよ?」

 イーサンがそう言うと、スノウは確かにそうねと思いとどまった。
 
 どうもここ二、三日スノウの様子がおかしい。
 以前のスノウなら突発的なことをするにしろ、なにかしら共感できる部分があった。
 しかし、今回の件なんかは降って湧いたにしても酷すぎる。

 思い返してみると、ブラックオークのトンタローの一件以来、スノウは魔獣との戦いに参加していない。
 
 「んんんんん~。わからんッ!」

 イーサンは無い頭を使ってはみたものの、スノウが変わってしまった『何か』を突き止めることは出来なかった。
 だが、こういう時にどうすれば良いのかは知っている。

「スノウ!やっぱり、トンタローの村に行こう!」

「は?あんた馬鹿なの?前にも言ったけど――」
 スノウの言葉にイーサンが被せる。
「それでもだ!」
(ッッッ!)
 イーサンの言葉にスノウは少し驚いているようだった。だが、それでも色々と理由をつけて拒む。

 しばらくの間、話は平行線をたどったがイーサンの一言が終止符を打つことになった。

「んだよッ! 俺には散々上から目線であれこれ言ってたくせに、そんなにブラックオークが怖えのかよ!それでも自称大魔人かよッ!」

 さすがにここまで言われれば、スノウも癇(かん)に障(さわ)る。

「はあッッッ?誰があんな豚共のことが怖いですって? 私が本気を出さなくても、いやッ……千分の一の力を使わなくたって余裕に決まってるじゃない!いいわ、豚狩りよ!豚狩りに行くわよッ!」

 そう言ってテレポートで着いた先は、おそらく村らしきものがあったであろう場所だった。

 見渡すと、建物は崩れ焼けた跡だろうか黒くなっている。
 また、辺りは生き物が焼けた臭いと建物が焼けた臭いが混じり、鼻をついた。

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