#12

 ――はずだった。

「スノウ、空って宇宙に繋がってるよな?」
「はあ?あんた、とうとう頭おかしくなったの?そんなの当たり前――」

 俺たちが見上げた空は、確かに青空だったが吹抜けてはいない。
 そう、透明な何かに包まれていた。

【Congratulations!!】

 展開していたキューブによって文字が表示されている。

「これより特典として、あなた専用の異世界創造を始めます。しばらくお待ちください」
「えっ特典?異世界の創造?俺のために?ってことは今までいた世界は――」

 目の前が真っ白になった。

「ちょっと!あんた聞こえてんでしょ?起きなさいよ!」
(なんだスノウか!聞こえてるって、はいはい今起きますよっと)

 目を開けると見知った顔の女の子が目の前にはいた。
 だけど、違ったのは体の大きさだ。二十歳そこそこの成人女性の平均身長ぐらいはある。

 つまり、異世界転生をスノウとしたわけだ。

 なんでそんなことが分かるのかって?そりゃあ『あなたのために』って言ってたぐらいだ。
 最低限の知識も一緒につけてくれたんだろう。

 仮にもラノベ小説だったら話が破綻している?
 知ったことか。なんだって、ここは俺専用に作られた異世界だからだ。

 とはいっても、広い荒野に人間サイズになったスノウと放置って。
 初期位置としてはあんまりではないか。本当に俺専用の異世界なのか?

 とりあえず、何ができて何ができないのかを知っておく必要がある。

「収納」

 キューブが手のひらに現れた。
「Hey Cube ここに来る前の俺たちはどうなった?」
「現在も生きています。確認しますか?」

 以前はこんな使い方があったなんて知らなかったが、なぜか知っている……特典やべぇ。
「映像で見せて」

 キューブが16インチぐらいのモニターになって映像で見せてくれた。
 確かにそこには俺たちが生きている。結局、話はまとまらずに帰ったようだ。

「Hey Cube 今のこの状況を簡単に分かりやすく教えて」
「パラレルワールドになります。私たちが生きる世界と同一の次元を持ちながら、並行して存在する別の世界を意味します。通常、異世界とは二つ目の違う世界を意味しますが、言うなればこの世界は3つ目の世界というとわかりやすいかもしれませんね。」

「ねぇねぇヤバいってここ……これからどうすんのよ?」
 元居た世界では自信満々だったスノウも、自分の知らない世界にくると不安になるのだろうか。

 「とりあえず、街を目指そう」
 俺はワクワクで胸が高鳴っていた。

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