まだ名もないそのスキル#14「ウンディーネの城(ダンジョン)」

「あっ!そうだ!」
ウンディーネが何かを思いついたらしい。

(魔人ってみんなこんな感じなのか?)
イーサンはウンディーネの様子にスノウのテンポ感を重ねていた。

「私の城(ダンジョン)まだ来たことなかったわよねスノウ?
せっかくだし見ていってよ!」
そうウンディーネが言うと、スノウの返事を聞くまでもなく”帰還(テレポート)”と唱えた。

すると、B-19湖畔には誰の姿もなくなっていた。

「見てよスノウ!ここが私の城(ダンジョン)!」
ダンジョンというには不釣り合いな、まるで竜宮城のような造りをしていた。
誇らしげに両腕を大きく開き、ウンディーネはくるりと体を捻らせスノウの方を見る。

少しぐったりしているスノウの後ろに、さっきまで同じ湖畔にいた人間の姿がウンディーネの目に入る。

「あ。さっきいた人間さんも一緒について来ちゃったみたいね」
(しまった――)という心の声がウンディーネの表情をみてわかった。
どうやら、自分(ウンディーネ)とスノウだけを移動させたつもりだったらしい。

「すみませんが、人間さんはここから帰ってもらっていいかしら……」
ウンディーネは《何かの手違いで》みたいな、ちょっと悪いことをしてしまったという表情だ。
手を合わせ、すりすりしている。

「巻き込んでごめんなさい!」
そういうと、イーサンに向けて”転送(トランスファー)”と唱えた。

しかし、イーサンの体には何も起こらない。
その後も、何度か唱えてみるが結果は同じだった。

「えっ?なんで?ここは私の城(ダンジョン)よ……。私の城(ダンジョン)よね?」
とウンディーネは頭を抱えた。

ウンディーネが頭を抱えるのも当然だ。
『ダンジョンの主(あるじ)は、
その中では相手がどんなスキルを自らにかけていようと、
主(あるじ)のスキルの方が優先される』のだ。

スノウが「はぁ~」というため息をしながらウンディーネに
「やっても無駄よ、この人間と私は離れられないの」

そう言うと、ウンディーネが食い気味に
「なんでなんで?新しいスキル?この人間にかけられたの?
え?何それ!めっちゃいいじゃない!(スノウとずっと一緒に居られる)
そこの人間、私にそのスキル教えなさい!(お願い!YESと言って!)」
とイーサンの方へ指をさした。

「話を聞けぃっ!」
そう言いながら、スノウがウンディーネの頭をハリセンで叩いた。※あくまでもイメージです


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