イーサンの両肩からガックリと力が抜けたのがわかった。
「……はぁ」
一気に老け込んでしまったかのような……ため息だった。
イーサンにはスノウが意気揚々と出てきた時から、こんな事になるような気がしていた。
「んで、スノウさんここは何処なんだい?」
イーサンは話し方までも、老け込んでいた。
「見てわかるでしょ!ジャングルよ、ジャングル!」
やけにワクワクした様子で飛び回りながらスノウが言うが、聞きたいのはそう言う事じゃない。
聞き方を変えてみる。
「魔獣は?」
「出るに決まってんでしょ!」
ですよね。
「どのぐらい?」
「いっぱいいるわよ。というか、この島には魔獣しかいないわよ。今は主に三種族が縄張り争いをしてる感じね!」
うんうん。
「強いの?」
「雑魚なんて相手にしてどうすんのよ!」
スノウが呆れている。聞き方が悪かったようだ。
「さっき『今は』って言ってたけど、元々は何種族もいたの?」
「そうね!こんだけ広い島だから昔は数百の種族がいたはずよ!」
なるほど、少しずつだが見えてきた。
「つまり――」
そう聞こうとした時だった。
イ“ィ“ィ“ィ“ィ“ィ“――
生き物が大きく叫んでいるのが聞こえた。
「この鳴き声!ブラックオークが近くにいるわ!」
「ブラックオーク?」
「三種族の中の一種よ!オークの三倍は強いんだから!」
スノウはワクワクしているのか、少し鼻息が荒い。
(三倍……。まず、そのオークとやらの強さを知らんのだが)
そんな事を思っていると、近くで草木を掻き分ける音が聞こえる。
その音はどんどん近くなり
ガサガサガサガサッ!
正面の草の影から飛び出してきたのは、傷だらけになった二足歩行の黒い豚だった。
(これがブラックオークッ!)
イーサンは咄嗟に両腕で身体守ったが、二足歩行の黒い豚は着地に失敗してこけてしまった。
イーサンはチャンスとばかりに、急いでキューブを手にして展開させる。
「展開! スノウ出番だ!」
しかし、スノウはイーサンを無視して、二足歩行の黒い豚に近づいているようだ。
「あっ!やっぱりトンタローじゃない!あんた大きくなったわねー」
トンタローと呼ばれたブラックオークもスノウに気づいたようだった。
「スノ……ウさま……にげ…て」
そう言うと、ブラックオークのトンタローは気を失った。
するとまた、トンタローのやって来た方角から草木を掻き分ける音が聞こえた。それも複数がこちらに向かっているようだ。
「客人よ!遊んであげましょ!」
スノウはそう言うとイーサンの体に入り
《解ッ!》
と言った。
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