朝になり目を覚ますイーサン。
(大丈夫だ。やっぱり発症していない・・・。)
そう安堵していると、いつもよりも1時間早く起きたことに気付く。遮光用に加工されたカーテンを開くと、そこにはいつも見る風景が広がっており、静けさが心地よかった。
普段は投影士たちらのスキルによって作られた映像放送を見ることはないのだが、この日は時間にも余裕があったので見ることにした。映像放送には今日の天気や昨日まちで起きた事件や音楽が流れていた。
だが、イーサンの目にはこれまでの記憶にあったような見え方をしていなかった。晴れをあらわす赤とオレンジ色のものには何か意志があるかのような熱を感じ、街で起きた事件内容を話す女性の声は次に何を話すのかが、その瞬間瞬間でわかった。
「・・・っん?どういうこと?」
そう思っている間にも次々と映像は流れていく。その間にも、これまでには特に気にしなかったであろう街中の様子も、やたらと目立って見える人がいたりしていた。
イーサンが一番驚いたのは、冒険者のハイドがダンジョン攻略のインタビューを受けているときに自然と涙が出てきたことだ。
ハイドはギルドで最高ランクのアダマンタイト級冒険者と讃えられていた2人パーティの1人なのだが、最近相棒が無実の罪を被せられ、現在はやむを得ずソロでダンジョン攻略をしている。
ダンジョン攻略のインタビューで攻略を喜んでいるように話していたが、イーサンにはそれよりもハイドが相棒を失った喪失感を強く感じていることの方が伝わってきたのだ。
(辛いよな・・・)
そう思うと、さらに涙が出てきた。
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