まだ名もないそのスキル#4「商会での出来事①」

朝の支度をして商会に歩いて向かっているとき、ふと時計を見るといつもより20分早く進んでいる。いつもと同じ時間に支度を始め、家を出る時間もいつもと同じなのにと不思議に思うイーサン。

(んっ?なんでだ??)

そう思うと同時に遅刻してしまうことが脳裏を横切り、駆け足で商会に向かった。

しかし、定刻よりも10分遅刻してしまった。額には汗をかき、謝罪の言葉と同時に商会の扉を開けると誰もみな遅刻を責めるものはいなかった。また、遅刻には厳しい長年勤める経理の女性もなぜか優しい言葉でかばってくれた。

机につき腰を落ち着かせると、目の前の様子が映写機の初めに流れる白と黒が交互に回る映像が重なって見える。イーサンはおかしなことが起きてるとトイレに駆け込む。

だが、その映像は止まらない。目をつぶれば止まるのではないかと思い、やってみるが効果はなかった。

トイレに入って10分経ったころだろうか、目の前を流れる映像も止まったので洗面所で顔を軽く洗い、鏡に映った自分を見る。

(大丈夫。何も変わってない)

ハンカチで顔を拭き、商会の自分の席へと戻る。その後はいつもと同じように同僚と世間話をし、今日の行き先を考えていた。

「じゃあ、今日もよろしくね!」

商会の責任者がイーサンに声をかけ、軽く肩にポンと手をのせ出ていった。商会は各地に複数あり、イーサンが通っているところの責任者は年上で優しい人であった。だが、これまでに肩に手をのせて激励するようなことは無かったので少し驚いた。

(何かがおかしい・・・)

しかし、考えてもイーサンにはその何かはわからなかった。

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