冒険者ギルドに戻ると、先ほど受け付けをしてくれた女性がイーサンに気づいたようだった。
他の人の受け付けが終わり、イーサンが再び受け付けに来ると
「先ほどの……」
受付けの女性も、こんなに早く戻ってくるとは思ってなかっただけに言葉を探していた。二人の間には少し微妙な空気が流れた。
イーサンは自分が招いてしまった空気感を感じて、話の途中でいなくなった事を謝る。
「いやぁ〜、先ほどは急にいなくなってすみませんでした。急にお腹が痛くなって、お手洗い借りてました。ところで、先ほどの話の続きなんですが、さっきの四角いのってどうなったんですかね?音声や映像を撮るって言ってたじゃないですか」
受付けの女性はハッとして何かを察したかのように質問に答える。
「あっ!キューブ(四角い塊)はですね、おっしゃる通り音声や映像を撮るものなんですけど、プライバシーに関わる所では自動で撮影がオフになるようになっているんです!また、それでも心配な方は必要な時だけ使えるように収納しておくこともできます。試しに手のひらを前に出して“収納″と言ってみてください。」
イーサンが言われた通りに″収納″と言うと、小さな四角い塊がイーサンを中心にするように現れ、前に出した手のひらの上に集まり元通りの四角い塊になった。
その後は、キューブの使い方や設定方法を色々と教えてもらい、初心者向けのクエストをあてがってもらった。
また、受付けの女性の話ではクエスト以外で、魔獣や魔物と遭遇して戦闘になってもキューブに記録が残るので問題はないとのことだった。
「以上が大まかな流れになります。投稿お待ちしております!」
そういって受付けの女性は笑顔で見送ってくれた。
帰りしなにふと、受付けの女性が最後に言っていた『投稿』という単語を思い出す。
(そういえば、魔獣や魔物との戦闘は編集して異世界で流されるんだっけ?あっちの世界はどんな世界なんだろな――)
ふとそんなことを考えていると、スノウが体から出てきて『シュッシュ』とパンチをしながら
「そんなことよりも魔物よ!そんな初心者向けのクエストなんかよりも、手応えのあるやつのところ行きましょ!」
と言って、”テレポート”を使った。
ついた先は、亜熱帯の森の中。……ジャングルだった。
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