tama07131987@icloud.com– Author –
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#10-2「異変」
「じゃあ行くわよッ!」 スノウがおもむろに、テレポートで何処かに連れて行こうとしている。「ちょーっと、待ったッ!」 イーサンが止めに入る。「何よ?」 珍しくスノウがお構いなしにスキルを使わなかった。 「修行っておまえ……。そもそも修行って現... -
10-1「異世界」
と、息づいてはいるものの……スノウがテレポートでどっかに行かないかぎり、魔獣に遭遇するなんて早々ない。 クエストがあるじゃないかって? そんなものとっくに受注できるものなんて全部消化済みだ。 もちろん、クエストの際はスノウが最低限の身体強... -
まだ名もないそのスキル#30:9-3「ただ……それだけ」
(はぁー。またスキルか……) イーサンがそんな事を思っていると、受付けの女性は話を続けた。 「まあ、あの装置はどなたにも適応するわけではないので、お気になさらずに投稿を続けて下さい。実際のところ、私どもも異世界(むこう)の方々がどういったも... -
まだ名もないそのスキル#29:9-2「日間ランキング」
翌日。 商会の仕事が終わり、イーサンはすぐさまキューブを展開した。スノウが急にテレポートでダンジョンに行っても困らないようにだ。 だが、スノウは無反応だった。なので、ブラックオークの村にいくのかを聞いてみる事にした。 「昨日は時間がな... -
まだ名もないそのスキル#28:9-1「まだ名もないそのスキル」
「じゃあ早速行きましょ――」 スノウがそう言った瞬間だった。 イーサンの周りから、けたたましい音が鳴り響く。 ヴィッ―ンッ!ヴィッ―ンッ!ヴィッ―ンッ! ブラックオークのトンタローは突然鳴り響いた音に「これは何の音ですッ!?いったい、何事だ... -
まだ名もないそのスキル#27「スノウ様」
(で?この猿どもどうすんの?) とりあえずと、白いヒヒたちを過重力(グラビティ)で木の上から落とし、地面で拘束状態にしたわけだが…… スノウはもちろんの事ながら、イーサンも次の展開を考えていなかった。(とりあえず……殺す?冒険者だし?) イーサン... -
まだ名もないそのスキル#26「俺は悪くないッ!」
スノウと同期(シンクロ)すると目の前の草木が透けて見え、五体の熱源体がこちらに向かってくるのがわかった。(スノウにはこういう風に見ることもできるのか……) そう感心している間にも戦闘準備のスキルが次々と使われる。 《”身体強化”、”暑さ無効化”、... -
まだ名もないそのスキル#25「ブラックオーク」
イーサンの両肩からガックリと力が抜けたのがわかった。 「……はぁ」 一気に老け込んでしまったかのような……ため息だった。 イーサンにはスノウが意気揚々と出てきた時から、こんな事になるような気がしていた。 「んで、スノウさんここは何処なんだ... -
まだ名もないそのスキル#24「キューブ」
冒険者ギルドに戻ると、先ほど受け付けをしてくれた女性がイーサンに気づいたようだった。 他の人の受け付けが終わり、イーサンが再び受け付けに来ると「先ほどの……」 受付けの女性も、こんなに早く戻ってくるとは思ってなかっただけに言葉を探してい... -
まだ名もないそのスキル#23「寝言は寝て言え」
その頃、話の途中でギルドから出てきたイーサンたちはというと (ちょっと、あんた!急に飛び出してどうしたのよ?)(いいから少し黙ってろ!あと、しばらくは体から出るなよ!)(あ……、そういえばさっきの女なんかやってたわね)(不用意に来るんじゃなかっ...